この町内の片隅から

よく分からない

乗車前

駅の券売機でTOICAにチャージしようとしました。
2台ある券売機の前には、どちらも数人が並んでいます。


片方に並びました。
春休み中の中高生くらいの女の子3人が券売機の前で固まっていました。


様子を窺うと、直ぐに切符を買うでもなく、何となく行き先を決めかねて
顔を寄せ合い、その場で相談しているようなのです。


(え!ここで相談する?それほどでもないけど急ぐんですけど?)


困ったな…



『先に買わせて』


とは言いづらく、我慢して待っていました。


やっと行き先が決まったようで、行き先ボタンを押そうとする1人の女の子。


やれやれと胸を撫で下ろしたのも束の間、
直前で迷いが生じたのか、ボタンから指を離し、再びひそひそ相談。


ときどき、チラッとこちらに目をやるので、わたしが待っていることは
充分承知の上だと思います。




そのような場合は、


『お先にどうぞ。わたしたち時間かかりますから』


一言添えて
その場を一旦離れるもんだわ、頭大丈夫?




と心の中で罵りました。



やはり一本乗り遅れました。
小走りで階段を駆け下りましたが、ホームに着いたと同時に、
電車の扉が無情にもスッーと閉まりました。


また心の中で罵りました。



降りた駅直ぐの公園では賑やかに桜祭りが開催されていました。


りんご飴、クレープ、たこ焼き、お団子、五平餅、
鮎の塩焼き、フランクフルト、串カツ…
さまざまな種類のキッチンカーやら屋台から、甘い匂い、
香ばしい匂いが柔らかく吹く風に乗って漂ってきます。


焼きそばおいしそうだな〜
幾つもある焼きそばのキッチンカーを覗きましたが、
1パック700円もするので、びっくりして、また心の中で罵りました。





一粒1280円。
桜色の美しい箱に厳かに収まる一粒1280円。


試食と間違えなくてよかった、
安堵しました。


安堵したら、罵る気持ちもシュワシュワと消えていきました。