この町内の片隅から

よく分からない

古本バザール

大抵の場合、朝は果物を口にするだけですが、
その朝は、ハムを焼いて卵を焼いて、オクラも焼いて、食パンも焼いて
そこら辺にあるものを手当たり次第、
紅茶と共に頂きました。


空腹だと誘惑に負けるからです。


週末は、年に一度の地域のお祭りでした。
お目当ては、市役所東側で開催される『古本バザール』です。
空腹ですと、そこに行き着く迄の幾つもの魅惑的な屋台に引っ掛かる虞が
あるのです。






その昔、上の息子をベビーカーに乗せて、フラフラとお祭りの会場に来た時のこと。
屋台と人の多さに圧倒されながらも、お昼時だったので、
適当にお弁当をひとつ求めました。


それは9つに仕切られたお弁当でした。
人気のない公園に移動し、芝生の上で広げましたが、仕切られた其々のお菜の
おいしかったこと!
2人で分けるつもりでしたが、息子はあまり空腹そうに見えません。
(希望的観測だったかも?)
気が咎めながらも、大部分が自分の腹の中に収まったのでした。


毎年、お祭りの時期が来る度に罪悪感を覚えます。
あのお弁当、何処の屋台で求めたのか分かりませんが、
もう一度会いたいです。







『古本バザール』は多くの人で賑わっていました。
周到に準備したお陰で、行きも帰りも何処の罠にも引っ掛かりませんでした。
脇目も振らず、すたすた通り過ぎることができました。



どうだ!えらいもんだろ!自分!
自分で自分を褒めようとして気づきました。



あ!だから毎年、あのお弁当に会えないのか……


600円でした。