梅雨時に思う ②
とてつもない吐き気に襲われて目が覚めました。
救急車の中でした。
『…吐きそう』
サッと渡された洗面器(じゃないけど)に戻したものは、
得体の知れない不気味な色の『何か』でした。
どこか打っていることは間違いない、その上での異様な吐き気。
(なるほど。たぶんダメだな)
それほど悲しくもなく、諦めながら、病院に運ばれたのです。
(ここが天国なのか?随分、機械が多い。)
運ばれた先は、まだ天国には程遠い集中治療室でした。
『切りますよ!いいですか?』
ハサミを持った救急隊員の方が、わたしの服を切り裂こうとしています。
タートルネックのプルオーバーでした。
『え!ダメェ〜!昨日通販で届いたばっか!また支払いしてない!切っていかん!』
(気づいてよかった!いま意識があって良かった!言うべきことだけは言えた!)
安堵し、また眠りに落ちたのでした。
どうやって脱がせたのか分かりませんが(ご苦労されたことと思います)
服は切られることもなく、いつの間にか水色の病衣に着替えさせられていました。
状況がよく分かりませんし、
不安でいろんなコトが頭をよぎります。
急に或る事がものすごく気になってきました。
入り口近くで待機する男性看護師さんに
『あの…新聞に載りますか?何処の誰って書かれたくないです。
どうしても仕方なかったら、少しでも歳を若く!あと美人とか美貌とかの
形容詞を!』
看護師さんは、すごくつまらなさそうな声で一言
『…載りませんよ。』
心配材料が無くなり、再び眠りに落ちたのでした。
…いつの日か(覚えていたら)もう少し続く
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