この町内の片隅から

よく分からない

梅雨時に思う ①

そのとき突然、時間の流れが遅くなりました。


一台の車があり得ないくらいゆっくりした速度で、わたしに向かってきます。
逃げようと思えば軽々逃げられるくらいの速度ですが、
どういう訳か、その場から動くことが出来ず、
自転車に乗ったまま呆然としていました。



視界いっぱいが、ずんずん迫る車だけになったとき
(何で、こんなに近づいてくるんだろう?)
小さな疑問と共に、スッと意識が遠のきました。



下の息子が小学校4年、10歳の時でした。あと10日もしたら冬休みという、
12月のよく晴れた
暖かい昼下がりのことでした。


自転車に乗ったまま、青に変わった横断歩道を走りかけたとき、
前方不注意の右折車が、突っ込んできたのです。





ここから先は、夢か幻だったのかも知れません。
そうだった証拠も何もないです。
わたしの記憶だけです。



気づいたら、わたしは上空にふわふわ浮かんでいました。
地面に倒れている自分が見えます。
交差点に停まっている車が見えます。
幾人かがわらわらと、わたしに駆け寄るのが見えます。


何も感じませんでした。周りも自分もシンとしていました。


(何だかここは気持ちがいい、ふわふわ気持ちいい。
もうすこし遠くに行きたい。)
くるっと後ろを向きました。


青い空に向かって飛んで行こうとしたその時!



『まだっ!ダメだっ!』



野太い声。


ものすごい怒鳴り声が聞こえたのです。
びっくりしていると、
空中に大きな真っ黒いゴツい手が現れました。


グッとわたしを捉えた真っ黒い手が、空中のわたしを地面のわたしにギュッー
と渾身の力で押し込みます。


ハッと意識が戻りました。
周りの騒めきが聞こえます。


『大丈夫ですか!』
『もうすぐ救急車が来ますからね!』
『がんばって!』


…また意識が遠のきました。
意識が戻ったり遠のいたりの繰り返しでしたが、


次に意識が戻ったのは救急車の中でした。






長くなりそうなので、続きはまたにします。




頭蓋骨骨折、硬膜下血腫という診断でした。
よくニュースで聞くことの多い
『頭を強打して死亡』の一歩手前だったようです。


後遺症はないという病院の診断でしたが、
あれから何年も経つというのに、
梅雨時は調子が良くないことが多いです。
今年は、それに不眠が加わり、しんどい日が多いです。
事故について書きかけたら、1記事で終わりそうにないので
ダラダラ続けるのも何だしな〜、迷いました。


ここ数日、あんまり調子が良くないからか、
いろいろと思いだしてしまいました。

近所の川にいる鯉とか亀です。
欲もなく(知らんけど…)黙って生きる姿に慰められます。



忘れなければ、ぼちぼち続けようと思います。
もしよかったら、そのうち続きを聞いてください。
(考えてみれば、そう大した続きじゃないですけど…)