この町内の片隅から

よく分からない

手紙

先日、実家に寄ったとき、探し物があったので物置き部屋を漁ったんですが…
段ボールいっぱいの手紙の束を発見しました。
(なんだこれ?)
全てわたし宛の差出人の名を見て、一気に時が巻き戻されました。




その昔、二十歳前後の頃、宿泊先だけ確保し、あちこち旅に出かけることが好きでした。車窓からの風景と、水のある場所、そのとき限り出会う人との会話が楽しみで、時間さえあれば電車に飛び乗ってどっか出かけてました。




いつだったか、丹後半島のYHに泊まった時のこと、その日の泊り客はわたしともう1人、同じ歳の男の子だけでした。
夕食後、きょう回った場所、これからの予定、日常生活のこと、尽きるともなくいろんなこと話したんですが、
何となく連絡先も交換しました。
携帯もメールもない時だったから、互いの住所と電話番号(固定)だけです。




最初は1枚のハガキから、それから手紙、どれもこれも大した内容じゃなかったです。
読んだ本の感想、新たに出かけた旅先の話…バイトの話、友だちの話…



取り留めも無いことを書いて、ポストにポトンと落とす、その瞬間が好きでした。
あぁこれで、自分の思ってることが誰かに伝わる、分かってもらえる、ホッと安堵したもんです。これで完結!って気がしてました。



返事なんて気にならなかったです。
読んだら、いつか来るだろ?そう思っていると
また取り留めも無い内容の手紙が届くのでした。



互いの環境が変わったり、新しい家族が増えたりなどで、だんだんと手紙の回数が減っていき、そのうち消滅してしまいましたが、
その数年間は、手紙のやり取りで気持ちが救われる事もありました。



メールも携帯もない時でよかった、と思います。
手紙だから、返事が気になる事もなく、その金釘流の肉筆は温かいものだったし(人のこと言えないけど🤣)
焦らず慌てず、それほど気にもならず、
のんびりしたやり取りは楽しかったなぁ



届いたばっかの封筒にハサミを入れる瞬間、わくわくしたもんです。



ここ数年の社会情勢について、あの子はどう思ってるのか、『ねーねー


どう思う?』って聞いてみたいな、と思いました。