天下の回りもの
息子Bが突然やって来たので、駅前の居酒屋にご飯食べに行きました。
毎日のように店の前を通りますが、入るのは初めてです。
メニューを見ると、案外お高めです。
きょうは、
『オレが払うから』
ってことでしたが、
でもやっぱり、お財布に少し多めに入れてきて良かったとちょっと安堵しました。
アルコールは本当に久しぶりで、弱くなってしまったのか
コップ半分も到達しないうちに頭はフラフラ、ボッーと熱くなってきました。
見ると息子の首も顔も真っ赤です。
何て安上がりな親子なんだ!
帰る前に手洗いを借りたのですが、席に戻ると
いつの間にか、テーブルの上に釣り銭を乗せたトレイが!
(しまった!してやられた!それにしても、何処でこんなスマートなやり方を覚えたんだろう?)
有り難い反面、申し訳なく可哀想に思いながら、帰路につきました。
彼は家で少しばかり休憩し、最終電車で帰って行ったのですが、
今度はわたしがしてやりました!
彼が手洗いに立った隙に、リュックの中から財布を引っ張り出し1枚忍び込ませてやりました。
『きょうはご馳走様、ありがとう!美味しかった!これは、国家試験に合格したお祝いです』
のメモ書きと共に…
『金と傘は天下の回りもの』
だから巡り巡って、またわたしの元に帰ってくる筈です。
(…知らんけど)
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