この町内の片隅から

よく分からない

廃墟の日

叶うことなら、不食の人になり、
人気のない廃墟の陰に居を構え


忍者のように身を潜め、
目立たず、ひっそり生きるのが
望みだというのに…




朽ち果てかけているビル

裏口


毎年イヤでもやってくる『生まれた日』
というものを当事者でも無いのに何故か
覚えている友だちが2人ほどいました。


(誰にも何も言われたくないので黙っていますが、
昔からの友だちは、その日を知っています)


何かしらメッセージを送って寄越します。






頼むから、ほっといてほしい
いつまで経っても全然成長しない
自分を顧みて、情けなく思うだけの日なので、


気持ちはありがたいけど、
頼むからそっとしてほしい
ひとり静かに反省し、
仕方なく新たな決意をする日なので


とにかく静かにしていたい






何度もそう話し、ようやっと半分くらい分かってくれたらしく、
いまでは何も無くなりましたが、
何年経っても、どうしても理解してくれないのが
配偶者です。


また何か言われました。


全然嬉しくなくて、ゲンナリしましたが
再度説明しても波風を立てるだけなので、


『ありがとう』


どうして分かってくれないのか…疲れました。
自分も、なぜ普通に反応できないのか
なぜそこまで頑なになるのか
分かりませんし、申し訳なく思います。


どちらかが悪いわけではなく、
根本にあるものが違うのでしょう。
(でも、ほんの少しだけ、パッとする気持ちが湧いた気がします。
面倒な自分です)






朝いちばんに
息子Aから


『うんこ出たか?』


メッセージが届きました。
しばらくしてから再び


『誕生日くらい、うんこ出るとええな』




不思議ですが、この世で2人だけ例外がいます
それを言われても、大してもやもやすること無く受け取ることができる例外が。


血の繋がりでしょうか。
(別に詰まっていません。失礼な!たまに腹が痛くなります)




いつだったか、
下の息子が不登校で引きこもっていた時のことです。
その前夜も部屋で暴れていました。
騒つく音を子守唄代わりに、浅い眠りにつきました。


翌日、午後遅く、のそのそ起きてきたのでしょう。


15時くらいに
わたしの携帯に突然メッセージが入りました。
ただ一言


『誕生日』


どんな高価なプレゼントより嬉しい一言でした。
どんより曇っていた心がパッと晴れた一瞬でした。
すぐまた、再びどんよりする日々が始まったのですが…



大事に保存してあります。



 



※ 目立たぬようひっそり生きるのが望みだったら
なぜ、このような場に投稿する自分が居るのか、自分でも分かりません。
匿名性に助けられていることもありますが、
奥深いところに、相反する気持ちが複雑に絡み合っているのでしょう。