この町内の片隅から

よく分からない

(税込み)1080円

まずいな…
ちょっと頭がボッーとしてきた。
どうしよう…いちいち脱ぎ着するのは面倒だし
荷物になるのも鬱陶しい、このまま館内にいよう。






その判断が間違いでした。
面倒がらず、一枚脱いで体温調節すべきでした。


雨が上がったので、徒歩15分程の図書館を訪れた時のことです。
冷たい風が吹きつける外と違い、
館内は雨上がりの湿気のせいもあるのか、妙に生暖かい空気が漂っていました。


すぐ帰るつもりでしたが、これは!と手に取りたくなる本が
なかなか見つかりません。


せっかく来たんだからもう少し、もう少しと
書棚から書棚へと彷徨いているうちに、
ほんの少しだけ芽生え始めていた
『頭痛の種』が
ムクムクとうごめくことを感じました。
芽生え始めていることは薄々気づいていたというのに。


(もっと早く一枚脱げばよかった。)


一旦芽生えた『頭痛の種』は
消えるのに時間がかかります。


草萌える前に、と
急いで帰りました。


『頭痛の種』がグズグズ燻っているので
いつまでもゴロゴロ転がっていました。


用心して晩ごはんはやめました。
用心して風呂もやめました。


多少の空腹を感じましたが、用心して
いつまでもゴロゴロ転がっていました。




ゴロゴロし過ぎて、ついに頭がイカれたのか?と
思いました。


まだ何となくボッーとします。