この町内の片隅から

よく分からない

諸行無常


その寺には日本一大きい木魚があります。
片手を触れるだけで過去の悪業が消滅するという木魚です。


ここ数年、その寺を訪れていなかったので、悪業が溜まりまくっているかもしれない、
一旦気にし始めたら居ても立っても居られなくなり、寒風吹き荒ぶ中、
電車を乗り継いで訪れました。


マンションや洒落た雑貨屋、カフェなどが立ち並ぶ静かな住宅街の一角にある寺には、
全長15mもの大仏さまもおられます。




目にも鮮やかな緑色の大仏さまですが、
緑色に彩られた意味は特にないそうです。
全身緑色、目・耳・唇等には金箔が施されています。




日本一の木魚です。
触りまくってきました。
これでしばらくは安泰でしょう。



 


この石に願い事を書いて奉納すると、願いが叶うという
ありがたい石です。
以前、石に願いを書いたことがあります。
その願いが叶ったかどうかうろ覚えです。
何を書いたかも忘れました。


どうでもいい願い事だったのでしょう。


千円もかかるので、
受付に座っていたオジサンに


『本当に願いが叶うのですか?』


我ながら必死の形相だったと思います。
一瞬たじろいだ様子のオジサンは、非常に言いづらそうに、


『…いや、そう書いてあるけど、何とも言えん…』


あとからクレームが来ることを怖れたのか、
正直な見解を話してくださいました。


願いは書きませんでした。




あちこちにお供えしてあるお餅は全てピンク色です。
また、オジサンに聞きに行きました。


『どうしてピンクの餅なんですか?』


再び一瞬たじろいだオジサンは、


『いや、意味はないけど、白よりピンクの方が華やかで正月らしいでしょ』


『じゃ正月以外は白い餅なんですか?』


『普段は餅を供えてないよ』
(なるほど)
食紅でピンクにした餅です。




奥に祀られている、撮影禁止のねむり弁天さまです。
(これはパンフレットの画像です)


年に2回だけ、このセクシーな弁天さまに触れることができます。
あちこち触りまくってきました。
すごく気になりますが、人の目もあるので、
巻いてある紫の布はめくりませんでした。


撮影禁止の理由を、またオジサンに聞きに行きました。


『撮影しても、写ってないとか、妙なものが写ることがあるから
やめといた方がいいよ』


実は、以前来たとき、こっそり写真を撮ったことが
あります。問題なく撮れていましたが、
黙っていました。
(また悪業が溜まったかもしれないです)






大仏さまと近隣のマンションとの対比を撮りたいと思い、
小高い丘から、木々の間を縫って、枯れ葉に足を取られ
ずるずる滑り落ちそうになりながら、
緑の大仏さまを撮ろうとしました。


ある場所から撮ろうとしましたら、
近隣の光景は写るのに、何をどうしても
大仏さまの姿だけ捉えることができません。
何度試しても、スマホカメラのレンズに
大仏さまだけが写りませんでした。


ここはなんだか不思議な空間ですし、
そういうこともあるかも知れない…
諦めて帰りました。