諸行無常
いつもそこにあるのが当たり前でした。
太陽が東の空から上って、西の空に美しく沈むように、
それは、わたしにとって当たり前の光景でした。
しばらくぶりに見に行きましたら、
その姿がすっかり消えていたのです。
驚き狼狽えました
それは、いつでもどんな時でも、その場所に静かに佇んでいるものだと
思い込んでいました
永遠に佇んでいると思い込んでいました。
なぜ、その光景に惹かれるのか分かりませんが、
それを目にするとホッと気持ちが休まる、
わたしの数少ない居場所のひとつだったのです


白い洗濯機の姿はどこにもありませんでした。
人通りもなく、目に見えない何かと
じっくり対話するには打ってつけの場所でしたが、
仕方ありません。
ぽっかり深い(アホな)悲しみを抱えてとぼとぼ帰るしかありませんでした。
洗濯機を処分した見知らぬ誰かは、
どこかの誰かの深い(アホな)悲しみなど
想像もされなかったことでしょう。
移り変わる景色を車窓からぼんやり眺めるように、
この世で起こるあらゆることは、
淡々と受け取り、流していくしかないのでしょう。