この町内の片隅から

よく分からない

永久不滅ポイント


『例えば、ダンナはあのとき人前で自分をバカにしたとか、自分より舅姑を
優先したとか。
そういったひとつひとつの出来事は、男からしたら些細なことに感じるかも
しれないけど、
屈辱感が積もりに積もっていくのよ。…
(中略)
いわば永久不滅ポイントよ。』


※もう別れてもいいですか より抜粋



本当に些細なことでした。
でも、何十年経った今でも、些細な出来事が引っ掻き傷となって残っているのです。
 



新婚旅行から帰ってすぐ義兄の家にお土産を持って挨拶に伺いました。
義姉はダンナの実姉です。
お土産とお茶とお菓子を囲んだ和やかな場面なのでしょうが、


『◯◯君は最近…』


『そうそう!◯◯叔父さんとこの◯◯くんは…』


数日前に籍を入れたというだけで、顔も知らないまま
血縁関係にさせられた
◯◯くんの話を聞かされてもどう反応していいか分かりません。
(面白くねーな)
思いつつ、曖昧な引き攣った笑顔を浮かべるのが精一杯でした。



顔が疲れるので、早く時間が過ぎないかなと思いつつ
そのような場面では、
唯一の橋渡し役となるダンナが
親戚の家系図について簡単な説明をしてくれてもいいんじゃない?と
疑問に思っていました。
(自分だったらそうするのに)



全く蚊帳の外でボンヤリしていましたら、
突然、こちらに話を振られ、
その時うっかり、思わず
ダンナのことを
『◯◯さん』
苗字呼びしてしまったのです。


いえ、分かっていました。
でも、それまでの習慣が抜けず、なかなか呼び名を改めることができないまま
ここまで来てしまったのです。


しまった!と思った瞬間
お義姉さんが


『ちょっと!それはおかしいでしょ!
あんたももう◯◯さんなんだからね。
ちゃんと考えなさいよ!』


そこは
わたしの立場として、
言いたいことが言える場ではありません。
少々のことでしたら、理不尽と思っても
黙ってハイハイするしかない、そういう場です。
世の中には、そのような場がけっこうあります。




黙ってダンナの顔を見ました。



『なんか言え!わたしの代わりに何か言え!わたしを庇え!
それがオマエの役割だ!』


懸命にテレパシーを送ったのですが、
実の姉に頭が上がらないダンナは黙ってニヤニヤするだけでした。


(しまった!この人で大丈夫だろうか?)




ものすごく不安になり、ものすごく後悔しました。


しかし、転勤先の広島に着いていくため、
仕事も辞め、結婚式も挙げたばかりで何とも身動きが取れず、
帰る場所もなかったわたしは、
何となくずるずると今日まで来てしまったのです。



たまに思いだす、いちばん最初の『永久不滅ポイント』です。


感謝もありますが、
この先、どうなるのかあんまり分かりません。


分からないときは流れのままに…
水のように






※  交通事故の続き、気になっていますが、暑くて脳が溶けそうなのと、
 腰痛がすっきりせず
 混み入った話をまとめることがしんどいです。
 涼しくなったら、ぼつぼつ書けると思います。


 痛み、気になるので、わたしもコラーゲン試してみようかと思っています。